ミナヅキアキラ先生作品感想

 

3LDKおおかみ付き (B's-LOVEY COMICS)

3LDKおおかみ付き (B's-LOVEY COMICS)

 

 

 

今夜はテイクアウトにて (HertZ&CRAFT)

今夜はテイクアウトにて (HertZ&CRAFT)

 

 

 

 

 

のぼせるからだ (HertZ&CRAFT)

のぼせるからだ (HertZ&CRAFT)

 

 

待ち合わせは額装店で (Charaコミックス)

待ち合わせは額装店で (Charaコミックス)

 

 

 

 

「3LDKおおかみ付き」「今夜はテイクアウトにて」「知らぬはおまえばかり」「のぼせるからだ」「待ってなんかいない」(※待ち合わせは額装店にて収録)

 

タイトルは、滾った順に並べてみました。多いな!

 

羽生山へび子先生へび子先生と念仏のように唱えながら探して、
kindleにDLしたボーイズラブアンソロジーCANNA vol.30。
古い所為か275円だった。
へび子先生の「花咲ける氣志道」笑えました。さすがです。
そばかすリーゼントがアホ可愛い。
で、博士先生(お名前大御所みがあるな…)の
「君に花束を」の後編載ってて、前編読みたいとvol.29をDLしました。
(↑は、攻がオツム弱いワンコで良かったです)
で、そのvol.29に、
ミナヅキアキラ先生の「花と手紙」(「恋文十色」収録)が載ってたのです。
良き出会い哉。
こちら「花と手紙」は短編ですが、
ある人物の表情に、わ!かわいい!ってなって、
この先生のもっと読みたいなと気がつけば何作かDLしてました。

絵が個性的でとても上手。線が繊細。綺麗。(語彙力)
でも好みが分かれる絵柄だと思う。
私は好きです。とても堪能させて頂きました。
上手くて個性のある絵が好きみたいです。

最近は少年誌でも活躍されてて、私の好きなこの個性が薄れてしまったみたい。
仕方ないとは言え、残念。
絵柄は変わっていくものですよね……

気を取り直して、↑に上げたちょっと昔の作品群について。
登場人物の瞳が白かったりする。唇は薄め。
顔を赤らめる、その線の入り方も独特。
木下けい子先生の頬の赤らめ線はわりと線が暴れてる印象だけど、
ミナヅキ先生のは、ほぼ等間隔。しかも横線。
ナルトで同人活動されてたみたい。だからか!横線!そして、白い瞳!
学ランや黒っぽいスーツは、すごく強い照明があたってんのかな?
みたいな描き方。白黒はっきりしてる。
……もう絵についてはさっぱりなので、専門用語も知りません。すみません。
とにかく、とても絵が上手。
人物を2m位斜め上からの視点で描いてるんかな?てコマとかあって、
(俯瞰というのですか?こういう描き方はよくありますが)
絵がすごく上手い人にとっては、こんな視点は造作ないことなんだろうと思ったりした。
しかし、どうなんですか?さらっと描けませんよね?俯瞰?どんぴしゃっときれいにね?
あ?ドローンなの?
私がこれから漫画家を目指すんだったら、ドローンに頼るっていうのもありか!
目指せるワケがないけど!
人体も狂いがなく、手の表情も良く、しっかりした男の手で好みです。
そして、デッサン力のある作家さんが描くエロは良いです。とても良いです。

街や部屋の中とかも……パースというのですか?狂いがない。
服の、特にズボンのシワがなんかすごい。
髪の毛が良い仕事してる。色気がある。
も一つ。表紙絵などのカラー絵は、当たり前ですが白黒の線ではない所為か、
シャープさが消えて、ややぼやっとしてます。
色味は渋めなのが多いけど(3LDK以外)、カラー絵も趣があってとても好き。

ストーリーも好き。
個人的に、BLでこういうの読みたかった!っていうお話が多い。

受けが攻めを好きだと自覚する、
自覚したところでここから先どうしようも出来ないじゃないか!って辛くなったり、
それでも焦がれたり、
諦めようと足掻いたり……
攻めと受け、思いの丈の、その”丈”に差があってうまくいかない……

攻めが受けを手に入れたいと焦ったり、
受けの本当の気持ち聞いて涙ぐんたりするの可愛い。
焦れもだする……!むっちゃする!
台詞も手垢にまみれてなくて好み。
「お前だから好きになった」みたいなよくある台詞も、
素直な気持ち伝わってくる台詞多くて、幾度となく泣きそうになった。

「知らぬはおまえばかり」
受けがシーツを噛み締めて声を我慢するシーンがあって、とても悦。
自分も昔、受けが攻めに半ば強引に咥えられて、
攻めのバンダナを剥ぎ取って噛み締めて声を堪えるっていう文を書いたのです。
性癖に刺さるシチュを綺麗な絵で見られるっていうのは、至福。

「今夜はテイクアウトにて」「のぼせるからだ」
どちらも受けが攻めに絆されていく過程が丁寧に描かれていて、
特に受けの表情が良いのです。
攻めに対して、ドキッとなる、拒否したい筈なのにしなくちゃいけないのに出来ない、
どうしようもなく好きになっていく……困る……
そんな時に見せる表情が良いです。
同衾シーンでは、
「イヤイヤ」言ってるけど、
その顔、表情、「イヤ」じゃないハズだ!
こんなコトもしちゃうからな俺は!どうだ!
てな攻めの気持ちが味わえます。ほんとです。それぐらい受けの表情が良いのです。

「今夜はテイクアウトにて」
受けのケイちゃんも上記の理由で良いですが、
攻めの岩切清司も良いかんじです。良い攻です。仕事ができる男は違うね。
ケイちゃんの眼鏡奪い取って、蔓を口に咥えてるコマ、
はああ!良い!良い面構え!
「ケイちゃん何があったのか 言わなきゃ入れてあげないよ」
こんな台詞さらっと出て来ますか?
しかも、壁ドンならぬ、ドア枠ドンですよ?

「待ってなんかいない」(「待ち合わせは額装店で」収録)
短編ですけど、とても良かったです。
焼けぼっくいに火がついたみたいなお話。
二人とも、高校時に消し切ったと思ってた。
しかし、導火線の火は残ってたんですね。
再会して火がついてしまった……もう消せはしない。
受けが可愛い……ミナヅキさんの描く受はどうしてこうも可愛いんだろう。

「3LDKおおかみ付き」
お話は童話がモチーフになってて、善きです。
「男ばっか三人狙う狼誰だよ」っていう何気ない初っ端の台詞を念頭に置いて読むと、
よりふかーく読めて良いです。
扉絵のケモノ耳と尻尾つけた、凛太郎、佑大、那知、見るの楽しい。

上のほうに同衾シーンって書きましたが、
サンプル読んでこれは好きかもとDLしたBL漫画でも、
エロが過剰に過ぎるといきなりつまらなくなってしまうんです。
(でも買ってしまったので、もったいなくて最後までは読みます)
顔も体も、何もここまで汁まみれにしなくとも……ツユだくかよ!って思う。
この受の顔はどうしちゃったの?アヘ顔って言うんですか?
それぐらい攻めが上手い、受けが感じやすい、一つになれて嬉しいってことなんだろうけど、
まー可愛い顔が台無しじゃないの……この顔はないわーって冷めてしまうんですよね。
ミナヅキ先生のエロは、確かな絵の巧さに裏打ちされたエロで、
色っぽくて、しっかりくっきりはっきり伝わってきます。
自分もう過剰エロを読むのはしんどいし何より冷めるので、
丁度良いって言うか、もっと読みたいです。
こんな匂い立つような色気は希少価値のような気がします。


↓↓バレ↓↓

 

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自分何故か、こ!これは!ってなると、PCの前からガタッと立って、
後でもいいのにマグカップ洗いに台所に行ってみたり、洗濯機を確認しに行ったり、
ウエットティッシュ抜き取って、モニタやマウスを拭き拭きするってことをしてしまうんです。
これは萌えの供給に頭が追いつかなくなって、
我が残念な頭は「総員退避!」ってなるんかなと思ってます。

「3LDK……」は何度となくそういう意味不明行動に突き動かされました。
佑大が凛太郎を庭にぶん投げたところとかね、
「三匹目はこぶたじゃねーよ 鈍いのは俺だ」
「恋心のなんてえげつないこと」
「ずっと傍にいたのに こんなに違って見えちゃうもんなのか」っていう佑大の胸の内、
「お前のしたいことしてみせろよ……!!」って言った那知、
それに続くシーンの数々……
那知ってば、男は初めてなのに咥えちゃうんだ。
ここまでするっていうことは、恋心は正真正銘の本物ってことですよね。

冒頭の「男ばっか三人狙う狼誰だよ」って台詞には「お前らだよ!」と返せそうですね。
んで、4人目の狼が現われたことですし、真中×足立佑大が見たいと強く思いましたが、
もう無理なんでしょうね……